2004-10-24
_ ぐあ
BUILD ABORTED
_ 若きウェルテルの悩み
読み終わり。
ウェルテルが友人ウィルヘルムに宛てた日記的な書簡で話は進む。というか日記である。
登場人物がほとんど貴族階級のひとたちなので「 考えてみたまえよ、君。」などと、みんながみんな GOSICK( 桜庭一樹 books )のヴィクトリカのような口調。慣れないと読みづらい。
後半になると編者の解説がつくようになる。ウェルテルからの書簡では話を追いきれないということでかなり深刻になったようだ。
編者の解説を読むとウェルテルの話は実話のようだ。
登場人物
- ウェルテル。主人公。
- ウィルヘルム。ウェルテルの友人。登場人物というかウェルテルの書簡に名前が出るだけ。
- ロッテ。ウェルテルが恋した女性。シャルロッテの愛称か。
- アルベルト。ロッテの婚約者。
概要
ウェルテルはロッテに婚約者が居ると知っていて恋する。しかしその恋は遂げられぬものだと苦しみ、自殺する。
反応
アルベルト「 あなたは不機嫌を悪徳だといわれるが、私はどうもそれはいいすぎじゃないかと考える。」
ウェルテル「 自分をもはたの人を傷つけるものが、どうして悪徳じゃないでしょうか。(略) 不機嫌でいてですね、しかもまわりの人たちのよろこびを傷つけないようにそれを自分の胸のだけに隠しおおせるような、それほど見上げた心がけの人がいるんなら、おっしゃってみてくださいませんか。」
不機嫌になっても意味はない、そのような状況になってもそれを受け流そうというのが あくせくするなゆっくり生きよう! ( 2004-09-28 ) にあった。ウェルテルはまさに前向きで魅力的な人物であった。だからこそ近所の子供や、ロッテの兄弟姉妹からも親しまれていたのだが。
彼女がぼくを愛してくれて以来というもの、ぼくはどれほどぼく自身を尊ぶようになっただろう。
身震いがする、ウィルヘルム、アルベルトがあのかぼそいからだを抱いていると考えると。
「 ロッテをぼくに 」と祈ることはできない。けれどしばしばロッテはぼくのもののような気がする。「 ロッテを与えたまえ 」とは祈れない。ほかの男の持ちものだから。
「 ひとは物じゃない 」と以前知人から言われたことがある。しかしこの物語りは 1700 年代 なのだけどいまとは全然違う背景があるのだろう。時代背景を全然知らないところが弱い。
決定的な言葉
ロッテと再会してのやりとり。
ウェルテルの「 ロッテしかいないんだ 」というような言葉にたいして。
ロッテ「 でもいったいこの広い世間に、あなたのお心ののぞみをかなえてさしあげられるようなひとがいないなんて、そんなことがありうるでしょうか。そのお気持になって、さがしてごらんになれば、きっと見つかると思いますわ。 」
超訳すると「 別の女を探せ 」ということ。ぃゃはや。この作品のすべてがここに表れている。
ウェルテルはこの会話のあとに自室に戻ってから自殺を決意する。
自殺
ウェルテルはアルベルトとの会話で「 自殺することはよくないことでしょうか 」と言っていた。アルベルトは「 自殺は弱さの表れだよ 」と言っていた。このときのウェルテルの考えがアルベルトと同じか、同じでなくてもアルベルトに同意していたならば、自殺という行動にはいたらなかったのかもしれない。
ちなみに私もいままで数回死んでしまいたいと思ったがさっぱり実行なんかしなかった。もちろん手首に傷なんてない。だいたい痛そうだし。自殺しなかったのは自殺する勇気がなかったからだし、「 生きてればそのうちいいことがある 」と考えていたからでもある。好きなひとだっていたし。自殺するにも強さが必要なのだ。若干だけど。あとやはり深刻に考えないことだ。自分が生きていても意味はあるのか? と考えるならば、では自分が死んでなにか意味があるのかと考えるといい。ぃゃ誰に言ってるわけではないけどね。意味がないことはしないことが大事である。
テーマ?
ウェルテルは遂げられない恋をした。それに苦しみ自殺した。
作品中には作男( 雇われて耕作に従事する男 )の自分の主人に恋したという話がある。その男は主人が雇った別の作男を殺した( ヤツ当たりみたいなもので殺された男はいい迷惑である )。
遂げられない恋はしてはいけないということか? 否。そんなものは上等である。たしかにウェルテルのように苦しくはなるけど。そのひとに恋したからといって世界が滅びるわけではないのだ。高々ひとりの人間が影響を及ぼす範囲なんぞたいして広くない。
炒飯食べたい。
でもちょいと水分が多かったよ....。火が弱かったかな