2012-11-24 :-)
_ [スクウェアエニックス]スクウェア・エニックス オープンカンファレンス - SQUARE ENIX 2日目
@ベルサール神田
1日目は不参加。
リアルタイムグラフィックス技術解説
スクエニの研究開発部門による『Agni's Philosophy - FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』( 【CEDEC 2012】スクウェア・エニックスが贈る次世代『Agni's Philosophy - FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』のメイキング / GameBusiness.jp )の制作過程のお話。
VISUAL WORKS { スクエニの部署か? } から渡された素材や、リアルの写真を正とし、それをリアルタイムで描画するためにはどうするか。その課題を実現するための手法を検討し、結果を予測し、実施し、その結果から考察する。ということをひたすらおこなっているらしい。
ようするに画像処理なんだが、世界で発表されている画像処理の論文からいくつかピックアップして、その中からどれが使い物になるのか、処理速度、品質のバランスを考えてどれが現実的なのかをひたすら検討している。
- a を検討した。結果は A だった。a はよく使われる古典的な手法なので、A を基準とする。
- b を検討した。結果は B だった。A に比べて品質は向上したがコストが高い。
- c を検討した。結果は C だった。3 つの中で我々が求めているものに合致する。
といったもの。研究開発ですねえ【謎】
具体的な手法を解説していたんだが門外漢なのでさっぱり分からんかった。
照明、肌、目、毛の描画についての説明。
照明については直接照明だけでなく間接照明も考慮しているとか CEDEC 2012 - GPGPUによる高速なグローバルイルミネーションベイクツールの作り方 が詳しいとか。
毛について:
- Texture space diffusion
- 映画マトリックスや nvidia のデモで使われてる
- バナナの皮のように髪の毛を乗っける( バナナヘア )
- Subsurface scattering - Texture Space Diffusion
- GPU Gems - Chapter 16. Real-Time Approximations to Subsurface Scattering -16.4 Texture-Space Diffusion
- GDC 2007 Demo Team Secrets:Advanced Skin Rendering (PDF)
- Sarah Tariq
- 髪の毛を 1 本ずつガチで描画
- Tariq ヘア
- アグニ(Agni)の髪の毛はバナナヘアと Tariq ヘアを使った。
- バナナヘアを乗せて、その上に Tariq ヘアを被せる
新生FINAL FANTASY XIV:ゲームを作り直すということ
もはや瀕死の状態になっているプロジェクト FF14 を再度軌道に乗せるための救済措置。
吉田直樹さんがプロデューサーを引き継いでからおこなったこと。吉田直樹さんも昔から FF をプレイしていたので、FF14 の状態を見て、なんとかせねばなるまいと奮起したらしい。「問題なのは技術的なことではなく、マネージメントである」{ たしか }とプロジェクトを仕切りなおし、ただひたすら現行の調査と、課題の洗い出し、その対策に奔放した話。FF のナンバリングタイトルがこの様ではお客様に申し訳がない。我々のプライドが許さない。と熱意を語っていた。やはり「ファイナルファンタジーのナンバリングタイトルである」という相当な危機感があったのであろう。
一般的に考えて「瀕死のプロジェクトを持ち直す」ことは「火消し」「救世主」と呼んでいいほどに、とても困難な仕事であろう。{ みずほ銀行システムのゴタゴタとかあるし、特許庁のアレなんぞは救済できずプロジェクトが途中で死亡したわけだ } 。そのような困難な仕事をやり遂げるという所業は一般的に考えて尊敬せざるを得ない。私だったら逃げ出す。もっとも やり遂げたのかどうかは市場の判断を待たなければならないわけだけど。
引き継いでからおこなったこと
- ゴールの再設定
- ファイナルファンタジー14 とはなんぞや
- MMORPG に必要な技術はなんだ
- ビジネススキームはどうすべきか
- 今後 10 年運営するにはどうすべきか
- 問題点の洗い出し
- 仲間を募集
- テクノロジーのプロフェッショナル
- 実現可能性の可否を判断
- リスクが高いのか低いのか判断
- デザインのプロフェッショナル
- バトルシステムのプロフェッショナル
- インターフェース
- 現状を把握しているひと
- 問題に対する解決策
- 描画エンジンは作りなおす
- サーバーをワールドレスにする
- 全てを調査、検討し、解決策を出す
- お客様の信頼を取り戻すためにどうすべきか
- ゲームを楽しんでもらうしかない
- 再び手にとって貰えるようにする
- 「どうせ FF14 なんでしょ?」と思われないようにしないといけない
- お客様に真摯に向き合う
- 開発者もモチベーションが下がっている
- 「どうせ捨てることになるんだろう?新しく作って何の意味がある?」
やはりここが一番重要であろう。結局 客商売なのだからお客さん(プレイヤー)に遊んでもらわないといけない。一度離れたお客さんに戻ってきてもらわないといけない。しかしたんに「作り直しました。どうぞ」と言うだけでは興味を持ってもらえない。ではどうするか。
ここからの件が面白かった。
FF14 には当初から月の隣に赤い衛星がある。それを見た吉田直樹さんは「衛星...球体... タマゴ? ....FF ... メテオ...? 」と連想を膨らませ、さらに「 FF といえばみんな大好きバハムートだよな....」と、ここでメテオとバハムートを結びつけ、さらに「 FF14 の作りなおす話をしていた 2010年12月 辺りはマヤ歴など世界終了の話題があった」と、「じゃあ衛星落としちゃおう」と発想したと。そして「エオルゼアは衛星が落下してきて世界が崩壊する。衛星だと思っていたのはじつはバハムートの卵だった」というストーリーを創り出し、それを現行 FF14 の終了と、新生 FF14 の開始イベントとしてもってきたんだそうだ。
それがこの辺り。NAVER まとめに写っている赤い球体が衛星のようだ。
- 4Gamer.net ― 「新生FFXIV」のβテストは2013年1月下旬から2月上旬頃。現行版から新生へと物語をつなげる最新トレイラー「時代の終焉」も本日公開に
- スクエニ、「FFXIV」“時代の終焉”トレーラーの解説文を公開 - GAME Watch
- 【世界の終わり】本日で終了する『FF14』がすごい事になっている模様 - NAVER まとめ
現行の FF14 がどうなってるのかプレイしてないんだが、この話を聞くだけならば、FF14 はすごく楽しそうに見える。不思議
プロジェクトを持ち直したこともスゲエんだが、プロジェクトの内部事情と、ゲームの世界を結びつけたその発想もスゲエ。
ゲーム開発プロジェクトマネジメント講座2012
去年の ゲーム開発プロジェクトマネジメント講座 (PDF) に追加。後日資料が上げられるらしい。
基本的にはスクラムで、それを多少アレンジしているらしい。
プロジェクトの手順
- 調査
- 戦略
- 設計
- 計画
- スプリント
- 優先度 x 難易度マトリクス
- 優先度高だけど難易度高のタスクはリスク高なのでまっさきに着手すべし。
- FF14 大改修
- プロジェクトマネジメントのメソッドをいきなり適用しても現場は混乱するだけ
- うまくいかない
- じょじょに使うべし
- プログラマチームが最も複雑だったので最初はプログラマチームに適用した
- 「調査~計画までプログラミング禁止」
- 大事なこと
- 部下の失敗は上司の責任
- 外注が非効率だからと愚痴ってる暇があったらとっとと外注に赴けよハゲ
サーバーサイド経路探索システム
- 敵キャラが自キャラに近づいてくるときの手法
- つまり経路探索
- A* だと全部探索するので処理が多く、CPU負荷が高い
- A* - Wikipedia
- 経路探索アルゴリズムの「ダイクストラ法」と「A*」をビジュアライズしてみた - てっく煮ブログ
- ナビゲーションメッシュ: 移動可能なメッシュを用意
- ナビゲーションメッシュ作成するツールがある recastnavigation - Navigation-mesh Construction Toolset for Games - Google Project Hosting
- MIT ライセンスなので嬉しい
- これをグラフとしてつなげる
- グラフ探索
- 愚直にやるとメモリ消費が激しいので省メモリ化しましょう
- マップをある程度の大きさで分割
- 分割した中でメッシュを作る
次世代ゲームAIアーキテクチャ2012
情報フローとか知識表現とかいろいろ。
先日 知人から教えてもらったおかげ[ 20121103#p04 ]ですんなり入れた。
4621046462